頭を強く打ちつけ脳に障害につき5級を取得し、示談交渉では主夫の家事労働制限が全面的に認められ、3,000万円を獲得した事例

急性硬膜下血腫、術後脳挫傷後の高次脳機能障害につき5級を取得し、示談交渉では主夫の家事労働制限が全面的に認められ、3,000万円を獲得した事例

頭を強く打ちつけ脳に障害につき5級を取得し、示談交渉では主夫の家事労働制限が全面的に認められ、3,000万円を獲得した事例

急性硬膜下血腫、術後脳挫傷後の高次脳機能障害につき5級を取得し、示談交渉では主夫の家事労働制限が全面的に認められ、3,000万円を獲得した事例
後遺障害内容・部位 高次脳機能障害
診断名・症状名
後遺障害等級 5級2号
主な自覚症状 注意障害・情動障害

オールイズワンに後遺障害等級認定・示談交渉サポートを受ける前と
受けた後の違い

賠償項目 獲得金額
後遺障害慰謝料 1,400万円(裁判基準)
後遺障害逸失利益 1,035万円(裁判基準超)※1
傷害慰謝料 206万円(裁判基準)
主夫の休業損害 293万円(裁判基準超))※2
付添看護費 71万円(裁判基準)
合計額 3,005万円(裁判基準超)
※1後遺障害遺失利益  奥様が専業主婦の事案でしたので、このような場合の夫の家事労働制限について、裁判所は軒並み厳しい態度を示し、場合によっては全く認定しないこともあります。そのような中で、夫の家事労働制限を根拠に多額の逸失利益の認定を受けることができました。
※2主婦の休業損害   ※1と同様、夫である被害者の家事労働制限を根拠に、多額の休業損害の認定を受けました。

ご依頼の経緯

お父様が交通事故で脳外傷を負われ、頼れる弁護士を探しておられたご依頼者の方は、市の法律相談会で弁護士の話を聞いても腑に落ちず、インターネットで検索されても何を信じてよいか分からなくなって、いくつかの法律事務所を訪ねたとのことでした。
それでも、「(後遺障害の)等級は自分で取って下さい。」とか、「医師との面談などできません。」と言われ、途方に暮れて当法人の門を叩かれました。
そんな中、初回の面談で、暑苦しく語る私の話をお聞きになり、頼れる弁護士が見つかったという安心感を得られ、ご依頼下さったと伺っています。嬉しいお言葉、ありがとうございます。

結果(後遺障害部分)

被害者の方には、高次脳機能障害と見られる症状がありましたが、事故前と比べて変わったと言えば変わったし、変わらないと言えば変わらないという部類に属する症状も多くありました。そこで、画像所見から伺われる脳の損傷部位と、知能検査をはじめとする神経心理学テストの結果を踏まえ、症状を絞り込んだ上で等級申請書類を整えました。
脳神経外科の主治医の先生とも良い形でお話しさせていただくことができ、当法人で作成した関連書類の内容を非常によく踏まえていただき意見書や所見書、診断書を頂戴することができました。これをもとに等級申請し、高次脳機能障害で5級という認定を受けることができました。
認定についてご報告した際、ご依頼者が電話の向こうでとても驚いておられたことを、今もよく覚えています。

示談交渉の経緯

後遺障害5級の認定を受けた後の交渉ではありましたが、その交渉は困難を極めました。
交渉の序盤、相手保険会社は、専業主婦である妻がありながら、夫である被害者の家事労働があったことなど認められず、したがって、その家事労働が高次脳機能障害により制限を受けたなどということも認めることはできないと譲りませんでした。
しかし、被害者の奥様は、うつ病を患われ、被害者の方が事故に遭った頃には家事も満足にできなかったということでした。そこで、奥様がお通いになっていた心療内科のカルテ等医療記録の取り寄せについてご了承いただき、カルテが届いて以降、その分析が始まりました。解読の非常に難しいカルテであったため、そのカルテを記載された医師のご子息にあたる院長先生に、解読を手伝っていただきました。その上で、診断書を頂き、当方でも、カルテの必要部分をもとに報告書を作成し、相手保険会社と交渉しました。最終的には、相手保険会社の医療アジャスターからの調査に対し、院長先生に対応のご協力いただくことができました。
それ以後、相手保険会社は、家事労働制限による後遺障害逸失利益や休業損害について、全く否定するという態度を改め、金額交渉に応じるようになりました。奥様が本当に家事をできなかったのかどうかについては、カルテの記載から一義的に判断しきれない部分もありましたが、こちらから、被害者である夫の家事労働の実態について、カルテの記載と突き合わせる形で詳細に主張し、若年の女性による家事労働の80%に相当する金額の認定を受けることに成功しました。

所感、争点

お父様が、突然の事故で頭を強く打たれ、高次脳機能障害を負われたご依頼者のショックは計り知れません。お父様は、その後、予想以上に回復され、当法人で後遺障害の等級申請のために主治医の先生とお会いした頃には、症状も随分落ち着かれていました。それでも、この事故で平穏だった日々を奪われたことを何としても損害賠償に反映させたい事案でした。
この事案では、当法人で早くから、交通事故人身障害という専門分野の中の更なる専門分野として重要視してきた脳外傷後の高次脳機能障害の等級取得のノウハウが問われました。等級の取得もさることながら、何級を取得できるかという点に意識を割き、高次脳機能障害の程度が如何に重大で、かつ、それについて如何に強固な医学的裏付けがあるかということを、脳内の損傷部位と知能テスト等の検査結果、実際に事故後のお父様の症状を一直線上に並べるつもりで医学的書類の案文を作成していきました。
そのことが、主治医の先生にもよく伝わり、示談交渉にも生かされたことが、後遺障害5級の認定と示談金3,000万円の取得に繋がったのだと思います。
また、裁判所でも厳しく扱われる男性の家事労働制限の評価について、専業主婦である奥様の精神面の病状を、医療記録の分析とその主治医の先生のご協力に基づき示談交渉の中で立証し切った点も、医学的問題を日常的に扱う当法人ならではの取り組みであったと思っています。
最後にお会いした時のご依頼者の笑顔を思い出す度、浦和に人身障害の専門事務所を構えて良かったという思いに包まれます。
また、その時ご依頼者の方がおっしゃっていた「弁護士特約があってもなくても、やはり専門家に頼んだ方が良いと思います。」という言葉、「大切な家族が事故に遭ってしまった時は判断力が鈍っているので、自分の中で抱えてしまうと大変です。」という言葉を、被害者の方々とそのご家族に伝えていかなければと、思いを新たにしております。

どうか、ご自分で抱え込まず、専門レベルの技術を持つ弁護士に相談して下さい。お力添えをさせていただきます。