複視(単眼)で224万円から1,423万円に増額した事例

左右上下視時の複視(単眼)で224万円から約5.8倍(1,000万円以上アップ)の1,423万円に増額した事例

複視(単眼)で224万円から1,423万円に増額した事例

左右上下視時の複視(単眼)で224万円から約5.8倍(1,000万円以上アップ)の1,423万円に増額した事例
後遺障害内容・部位 右眼について、左右上下視時の複視
診断名・症状名
後遺障害等級 左右上下視時の複視について13級を獲得
主な自覚症状 右視力低下、視野障害、複視
提示金額
224万円
1,068万円
弁護士交渉後
1,292万円
提示金額
224万円
1,068万円増
弁護士交渉後
1,292万円

オールイズワンに後遺障害等級認定・示談交渉サポートを受ける前と
受けた後の違い

賠償項目 示談交渉前 示談交渉後 増額分
後遺障害慰謝料 57万円 180万円 123万円
逸失利益 167万円 1,112万円 945万円
合計額 224万円 1,292万円 1,068万円
※ 基礎年収 6,332,400円(平成22年男子大学、大学院卒平均収入)
※ 逸失利益
裁判基準に従うと、13級の場合、労働能力喪失率9%、労働能力喪失期間45年(ライプニッツ係数17.7741をかける)として計算され、この場合の逸失利益は1,012万円(6,332,400円×9%×17.7741≒1,012万円)となりますが、これよりも更に100万円上乗せした金額で示談が成立しました。

ご依頼の経緯

被害者の方とご両親は、保険会社から受け取った提示案を示され、事故で被った苦痛、損害は、これで本当に正しく評価されているのかと相談にいらっしゃいました。

結果(後遺障害部分)

被害者の方は、右外傷性視神経症の診断を受けられ、正面以外の一定方向を見ようとする時、眼球の運動制限がある点について後遺障害13級を獲得されました。

 

さらに、視野の中に、ぽっかりと黒い穴があく、いわゆる暗点について、絶対暗点ではなく比較暗点であるから視野障害には該当しないとされていましたが、この点について、異議申立の可能性を探るべく、医師面談を行いました。
主治医の先生は勿論、眼科の高名な医師ともお会いし、意見書の作成に応じていただけることになり、ご意見を頂いた場合、頂かなかった場合の各シミュレーションを行いました。

 

医師のご意見に基づき考察した結果、上位等級取得の可能性は低かったこと、早期解決のご希望もあったことから、被害者、ご家族との話し合いの末、異議申立に時間をかけるのはやめることにし、より上位の後遺障害を取得できなかった点については示談交渉の中で主張し、そのかわり、13級の賠償金額を裁判基準で確保するためには訴訟も厭わないという方針で進めることに決まりました。

 

交渉に入った後も、当初は、こちらの請求額と保険会社の提示の間には大きな溝がありましたが、できれば訴訟をせず裁判外の示談により早期解決されたいとのご要望があったこと、私としても、保険会社との対立点からして、訴訟手前での解決の余地は十分あると思われたことから、腰を据えて交渉することにしました。
結局、示談交渉により、後遺障害慰謝料については、13級の裁判基準満額の180万円、後遺障害逸失利益については、13級の裁判基準で算出した場合の1,012万円を100万円上回る1,112万円を獲得することができました。
傷害慰謝料(入通院慰謝料)についても、裁判基準満額の約130万円の獲得に成功しており、13級としては高額の合計1,400万円を超える金額での解決となりました。

※傷害慰謝料とは、後遺障害が認められるか否かにかかわらず、入通院の期間の長さに応じて算定され、賠償請求しうるもので、後遺障害慰謝料とは異なります

詳しくは、こちらをご覧ください。
傷害部分の損害賠償

所感、争点

上記では金額の話に終始してしまいましたが、本件は、若い被害者の方が、眼という身体の中でも極めて重要な部位について、1眼とは言え一生背負っていかれることになった後遺障害が問題となる事案でした。
彼の負った障害が、いかなるもので、今後どのような苦労を強いられることになったのかを、症状から噛み砕いて主張を組み立て、好条件での示談解決のために心血を注ぎました。

 

主治医を含めお二人の医師との面談の中で教えていただいたこともフルに生かした交渉となりました。
示談交渉上、裁判基準満額の慰謝料を獲得し、さらに、逸失利益について、裁判基準を超える標準での示談成立に漕ぎつけることができたのは、このような身体に生じた支障をよく踏まえた交渉の賜物です。

 

後遺障害問題は、医師と弁護士の間に落ち込みがちです。医師は医療の専門家で医療知識と臨床経験に長けていますが、後遺障害は基本的に専門外です。弁護士も、後遺障害が確定した後の損害賠償請求が専門で、それ以前の後遺障害問題、医療問題は専門外という方が多数派と言えるでしょう。

 

しかし、それでは、被害者の方が、事故によりどのような障害を負い、どのような損害を被ったのかを本当の意味で加害者や保険会社に伝えていくことはできないでしょう。

 

また、本件では、時間的な制約もあり、後遺障害問題を最後まで追求することはできませんでした。
もし、視野の中にぽっかりと黒い穴があく暗点についても13級をつけることができていたら、併合12級となり、本件では約1,900万円の賠償金を受け取ることができた可能性があります。
事故後できるだけ早く後遺障害を専門に扱う弁護士に依頼され、被害者の方の通院期間中に諸処の準備を整えていくことができれば、最初の後遺障害等級申請も、より精度の高いものとなり、万一、異議申立となっても迅速な対応が可能であったと言えるでしょう。

 

事故に遭ったら、早期に、事故専門、後遺障害専門の弁護士にご相談、ご依頼なさいますよう、お願い致します。
事故により被った、損害、苦痛を正しく評価してもらうために、今の時代、どうしても必要なことです。