首の根元、足の骨折後の障害につき併合8級を取得し、2,460万円を取得した事例

C6椎体前方骨折・右大腿骨外顆骨折・右脛骨近位端骨折・右脛骨骨幹部骨折・右腓骨頭骨折・右足関節内果骨折後の脊柱変形障害・膝機能障害・足関節機能障害につき併合8級を取得し、2,460万円を取得した事例

首の根元、足の骨折後の障害につき併合8級を取得し、2,460万円を取得した事例

C6椎体前方骨折・右大腿骨外顆骨折・右脛骨近位端骨折・右脛骨骨幹部骨折・右腓骨頭骨折・右足関節内果骨折後の脊柱変形障害・膝機能障害・足関節機能障害につき併合8級を取得し、2,460万円を取得した事例
後遺障害内容・部位 脊柱変形障害・膝関節機能障害・足関節機能障害
診断名・症状名 C6椎体前方骨折・右大腿骨外顆骨折・右脛骨近位端骨折・右脛骨骨幹部骨折・右腓骨頭骨折・右足関節内果骨折
後遺障害等級 脊柱変形障害11級7号・膝関節機能障害12級7号、足関節機能障害10級11号の併合8級
主な自覚症状 右足首が左の半分も曲がらない、右膝が左の3/4も曲がらない、右足首と右膝が痛い

オールイズワンに後遺障害等級認定・示談交渉サポートを受ける前と
受けた後の違い

賠償項目 獲得金額
後遺障害慰謝料 830万円(裁判基準)
後遺障害逸失利益 1,652万円(裁判基準超)※1
傷害慰謝料 239万円(裁判基準)
合計額 2,721万円 (裁判基準超)※2
※1後遺障害逸失利益 脊柱変形障害に関する症状がなかったことからして、裁判所での労働の力喪失率の判断は35%となった可能性が大ですが、これを45%とする示談解決ができました。
※21割過失認定事案のため、取得額は2,460万円

ご依頼の経緯

インターネットで交通事故を取り扱う法律事務所を検索され、3か所に相談のEメールを送られたということでした。

 

1つ目の事務所は事務員らしき方から「まず予約を取って欲しい」との連絡を受け、2つ目は無反応だったということでした。3つ目が、我々弁護士法人オールイズワンで、私からの熱苦しい返信を受け、「初めての相談のEメールに対して、これだけの内容の返事が返ってくるということは、ここが良いのではないか」と思い面談の予約を入れられたということでした。 実際、相談にいらしてみると、Eメールの返信と同じ熱さが伝わってきて、「このまま任せよう」とご依頼をお決めになったということです。

結果(後遺障害部分)

さほど事故から時間が経っていない段階で相談にいらしていただいていたので、後遺障害診断の日に向けて、じっくり準備する時間がありました。最初にお会いした段階では、賠償についてはご依頼を受けて完全に当法人が窓口となり、通院治療に専念していただいて良くなっていこうというお話をしました。

 

しかし、通院治療中に被害者の方の医療記録を収集し、足首や膝の可動域を見る中で、症状の緩解が思わしくないことが明らかとなってきました。そこで、足首については、可動域が思いのほか悪かったので、そこまでの可動域制限があることの医学的根拠をどのように把握すべきかを検証しました。他方、膝については、足首と比べると比較的可動域が良くなってきており、可動域が等級を取得するほどではなかった場合に膝の痛みについて等級を取得するために、痛みの根拠を主治医がどのように理解されているか、当法人の顧問医その他の関係医師に医学的根拠について意見をもらう必要があるかを検討しました。

 

また、カルテから、頚椎の椎体骨折後の変形が見られることは伺われたものの、椎体高が前方と後方で等級相当の有意差が生じているかは分からない状態でした。そこで、後遺障害診断の際、主治医向けに、その差が分かるよう挿絵入りでご案内いただくよう提案することにしました。 準備の甲斐あって、後遺障害診断は順調に進み、足首の可動域制限について10級、膝の可動域制限について12級、頚椎の変形障害について11級と、全て残された症状どおりの正しい等級認定を受けることができ、併合8級の認定を受けることができました。 被害者の方が、この事故で本当にお辛い思いをされていたことを知っていただけに、目標どおりの等級認定を受けられ、まずは、ホッと胸を撫で下ろしました。

示談交渉の経緯

この件については、後遺障害併合8級の認定がなされましたが、脊柱の変形障害については無症状であったことから、特に、後遺障害逸失利益に関し、相手弁護士から8級の相場よりも下回る主張を受ける危険が高くありました。

 

一方で、早期にご依頼された被害者の方との長いお付き合いの中で、被害者の方がこの事故でどれだけの精神的苦痛を被っておいでかは、痛いほど分かっていましたので、私としては、何とかして8級の相場どおりの逸失利益を獲得したいと考えていました。 しかし同時に、その交渉は困難を極め、結果は全く保障の限りではありませんでした。

 

そのため、交渉経過をつぶさにお知らせしても、被害者の方は、その度に事故のことを思い出さねばならず、しかも、その事故による被害について、相手サイドからの否定的な言葉を何度も聞かなければならないことになり、ストレスの方が大きいであろうと考えました。 そこで、被害者の方には、交渉がある程度進んだところからのご報告を提案しましたが、最初から詳しく聞いて交渉に参加したいというご希望でした。

 

こうなれば、できるだけ早く交渉をやり切り、最上の結果を得るしかないと思いました。

 

交渉は、こちらから相手サイドに対し、後遺障害等級の認定を踏まえた損害賠償請求を出すことでスタートします。交渉開始後、相手からの最初の回答には、特に、賠償金額が大きい場合だと1か月以上かかることも少なくありません。そこで、相手の弁護士に対し、早期の回答を示談解決の条件とする旨伝達し、2週間程度で最初の回答を受け取りました。 回答の内容は、予想どおり、後遺障害逸失利益を8級の相場よりも低く見積もったものでした。

 

しかし、その時には既に、こちらの交渉の青写真は出来上がっていました。その後、医療記録を駆使した予定どおりの交渉を繰り返し、8級の相場どおりの逸失利益の獲得に成功しました。

所感、争点

本当は、この交渉が頓挫した場合に備え、二段目の交渉も、被害者の方の入通院カルテをもとに準備していたのですが、お蔵入りとなりました。

しかし、二段階目までもつれ込めばその分時間もかかったでしょうから、とても嬉しいお蔵入りでした。

Hさんと頻繁なEメールのやり取りがあり、一つ一つの主張出しを迷わずタイムリーにできたことも勝因でした。

8級の相場の逸失利益と述べましたが、これは、飽くまで後遺障害8級を取得した場合一般の相場であって、後遺障害等級を取得した症状の中に、本件のような、骨折患部の変形障害を含むような場合、その患部に痛みやしびれがないとなると、基本的には逸失利益が認められることはありません。後遺障害逸失利益というのは、事故で怪我をして仕事ができなくなった分を損害として埋め合わせるという趣旨のものだからです。

ですので、本件の、いわゆる裁判基準は何かと言えば、やはり、「8級の相場」よりは下回るものとならざるを得ません。

しかし、被害者の方の苦痛を、損害としてどのように評価してもらうかと考えると、本件では、逸失利益を、裁判基準を超え、8級の相場まで押し上げることが近道であり、現実的と考えました。

本件は、そのような発想を、医療記録の分析により形にし、被害者の方の納得の結論を得ることができた事案でした。医療記録は当法人の事務方が、方々の病院に問い合わせ、時には病院に直接赴いて集めてきたのもでした。被害者の方ともオンタイムで交渉状況を共有しており、まさに、被害者の方と、私と、当法人の事務局とが力を合わせ、皆が一つになって最良の結果に漕ぎ着けた、非常にオールイズワンらしい事案であったと思います。

以上