サービス・費用

弁護士費用特約とは?

弁護士費用特約とは? 使い方とメリットを弁護士が解説

ご加入の保険に弁護士費用特約制度は付いていませんか?特約が付いていれば、保険会社があなたの代わりに弁護士費用を負担してくれます。弁護士費用特約は、人身事故の被害者にとってはメリットしか無いと言われる保険です。

弁護士費用特約の使い方やメリットについて分かりやすくご説明します。

弁護士費用特約って何?

弁護士費用特約とは、被保険者が弁護士に支払う弁護活動全般の費用を、保険会社が負担してくれるという特約です。

任意保険に加入している人の約7割以上は、この特約に加入していると言われていますが、弁護士費用特約はまだまだ認知度が低いせいか、特約の利用者はたった1%にも満たないというのが実情のようです。

交通事故の被害を受けた方の中には、弁護士への依頼を検討しているけれど、弁護士費用の負担が心配で依頼することをためらっている方もいらっしゃるようです。弁護士費用特約を使えば、そのような費用面の心配がなくなりますので、ぜひ積極的にご利用いただきたい保険特約です。
 

弁護士費用特約でいくらまでカバーするの?


弁護士費用特約は、弁護士への相談料(上限10万円まで)、弁護士への報酬、示談交渉などの弁護士費用の総額300万円を上限に支払われるものが一般的です。

つまり、弁護士費用が300万円の金額の範囲内であれば、被害者の方は弁護士費用を原則自己負担なしで弁護士に依頼して示談交渉や裁判を進めることができます。

重大事故などの場合を除いて、弁護士費用が300万円を超えるケースはほとんどありませんので、実質、弁護士費用の負担は無料になります。また、300万円を超える費用がかかっても、上限300万円までは弁護士特約から費用を賄えますので、負担はかなり軽減されます。

弁護士費用特約を利用するメリット

弁護士費用特約の費用は年間約1000~2,000円ほどですが、カバーされる範囲は非常に広く、保険の契約者以外も利用できるなど、メリットはたくさんあります。

弁護士費用特約は契約者以外の家族も使える

弁護士費用特約は、ご本人が契約をしている保険でなくても、被害者の方の配偶者や別居をしている未婚の子など、親族が加入していることで弁護士費用特約が適用されることもあります。
契約者以外で利用できるケース
  • 契約者の配偶者(内縁関係でも可能)
  • ①または同居する親族
  • 契約者または①の別居の未婚の子
  • 契約している車に搭乗していた者
  • 契約者と①に該当しない契約する車の所有者
*保険会社によって、多少異なることがありますので、保険約款を確認してください。
特約を利用しても保険の等級は下がらない弁護士費用特約を利用すれば、「等級が下がって保険料が高くなるのでは?」という心配をされる方がいます。特約を利用したことで、等級が下がるということはありません。ノーカウント事故として扱われます。

翌年からの保険料は変わらないのも、弁護士費用特約のメリットの1つです。

弁護士を自分で選ぶことができる

弁護士費用特約を利用する際には、弁護士はご本人が自由に選ぶことができます。保険会社から弁護士の紹介を打診されるケースがありますが、それを受ける必要はありません。

交通事故に強い弁護士、信頼できる弁護士をご自身の判断で選ぶことが可能です。

弁護士費用特約にデメリットはほとんどありません

弁護士費用特約を利用するデメリットはほとんどありません。交通事故の各種交渉を弁護士に依頼することで、損害賠償金は増額できる可能性が高くなります。しかも、弁護士費用は無料ですので、対象になる方は積極的に利用すべきです。
弁護士費用特約が利用できるケース
弁護士費用特約は、以下のような場合に利用できます。

法律相談
弁護士への法律相談が1事故、1名につき10万円を限度として利用できます。弁護士の法律相談は、一般的に1時間5千円~1万円ですので、納得できるまで弁護士に相談することができます。また、法律相談後に「正式に依頼したい!」となった場合でも重複扱いとなって弁護士費用特約が利用できないということはありません。

過失があっても利用できる

弁護士費用特約は、過失がある場合には利用できないと誤解されますが、実際には過失が99%であっても利用できます。100%の過失でなければ、弁護士費用特約は利用できます。

物損事故でも利用できる

ご自身の車が大衆車で、その物損事故を弁護士に依頼した場合には、賠償金が増額された分よりも、弁護士費用のほうが高くなるケースがあります。いわゆる、“費用倒れ”です。

しかし、弁護士費用特約には物損事故もカバーされています。保険から弁護士費用が賄われますので、少額の争いでも弁護士に依頼することが可能です。

弁護士費用特約が利用できないケースとは?

弁護士費用特約は、事故の状況次第では、使えないケースがありますので注意が必要です。
利用できないケースの例
  • 故意による事故
  • 重過失による事故
  • 無免許運転、違法薬物摂取
  • 無免許運転
  • 飲酒運転
  • 日常事故(事故以外)
  • 天災による事故(台風、洪水、高潮など)
  • 事業用自動車の事故
*保険会社によって異なる場合があります。

弁護士用特約を利用するタイミングとは

弁護士費用特約を利用して弁護士に依頼するタイミングですが、これは保険会社と示談する前ならいつでも可能です。お客様からのご相談は、以下のような保険会社との交渉中に多くあります。
  • ・保険会社との交渉が大変なので弁護士に任せたい
  • ・保険会社に提示された慰謝料が妥当か知りたい
  • ・等級認定が非該当になった
  • ・上位の後遺障害等級認定を獲得したい

弁護士費用特約を用いる場合の注意点『保険会社の主張に注意!』

保険会社に弁護士費用特約を使いたいと申し出た場合に、「保険会社の選定した弁護士でないと使えない」「弁護士会(正確には「日弁連リーガルアクセスセンター(LAC)」)を通して弁護士に相談してください」と言われることがあります。

これは保険会社が自社で抱えている顧問弁護士やLACを通せば、弁護士費用を安く抑えられるという思惑があるためです。

しかし、そのような保険会社からの主張や提案は聞く必要はありません。弁護士費用特約は、自分が依頼したい弁護士に対して特約を使うことができます。

弁護士法人オールイズワン浦和法律事務所は、弁護士費用特約のご利用を受けしております。どうぞ、お気軽にご相談ください。

弁護士青木の独り言

弁護士費用特約は、弁護士への相談料が10万円、弁護士への報酬、示談交渉などの費用が総額300万円を上限に支払われるものが一般的です。つまり、弁護士費用が300万円の金額の範囲内であれば、あなたは弁護士費用を原則自己負担なしで弁護士に依頼し、示談交渉や裁判を進めることができます。

保険会社から示談金額の提示を受けるまでは、弁護士費用を負担するだけの賠償額を得られるのかわからない場合もあります。

そうしたとき、弁護士費用をかけるわけにはいかないと思って交通事故に精通している保険会社とご自分で交渉され、結果として、治療費、休業補償の打ち切りを受け入れなければならない場合もあります。

このような場合、弁護士費用特約に入っていれば、弁護士に事件解決を任せることができます。そして、重大事故でない場合には、弁護士費用が300万円を超えることはありませんので、あなたの弁護士費用の負担は原則無料になります。

また、重大事故の場合でも、300万円までは弁護士特約で費用を賄えるので、負担がかなり軽減されます。この特約を使ったからと言って、保険料が増額することはありませんので、安心して保険を利用することができます。当弁護士法人に依頼される被害者の中にも、弁護士費用特約をご利用される方が沢山いらっしゃり、この場合、着手金や報酬金は勿論、郵便切手代等の諸費用も弁護士特約に請求することができます。

保険会社が加入者に対し、弁護士特約が付いていることを敢えて教えていないという場合もありますので、ご自分の保険に弁護士特約が付いていないか、是非確認してみて下さい。最近では、任意保険の契約をされている方で、弁護士特約が付いた保険にご加入の方の割合が相当程度、増えています。自分の保険には付いていないとお思いになられている場合でも、実は保険証書を見たら、特約が付いていた、ということも少なくありません。

また、ご本人が契約をしている保険でなくても、被害者の方の配偶者や別居をしている未婚の方のご両親など、親族が加入していることで弁護士費用特約が適用されることもあります。まずは、ご自身とご家族の保険証書を確認の上、専門家である弁護士にご相談ください。
なお、弁護士費用特約をご利用になられる場合につきましては、旧日本弁護士連合会報酬等基準に準拠致します。