高次脳機能障害につき7級、顔の傷跡と合わせて併合6級を取得し、3,775万円で解決した事案

裁判所でもなかなか認定されない顔の傷跡に対して後遺障害逸失利益獲得!

高次脳機能障害につき7級、顔の傷跡と合わせて併合6級を取得し、3,775万円で解決した事案

裁判所でもなかなか認定されない顔の傷跡に対して後遺障害逸失利益獲得!
後遺障害内容・部位 高次脳機能障害
診断名・症状名 外傷性くも膜下出血・脳挫傷・右外傷性慢性硬膜下血腫
後遺障害等級 併合6級
主な自覚症状 記憶障害、失語症、社会行動障害等

当弁護士法人後遺障害等級認定・示談交渉サポートを受ける前と
受けた後の違い

賠償項目 獲得金額
後遺障害慰謝料 1,300万円(裁判所基準超)※1
後遺障害逸失利益 3,083万円(裁判所基準超)※2
傷害慰謝料 286万円(裁判基準)
休業損害(本人分) 61万円(裁判基準)
入院雑費 24万円(裁判基準)
合計 4,754万円(裁判基準)
以上について、20%過失相殺により3,775万円の認定

※1後遺障害慰謝料・・・後遺障害6級の裁判基準は1,180万円ですが、被害の実態を訴え、1.1倍に相当する1,300万円の認定を得ました。

※2後遺障害逸失利益・・・顔の傷跡について、過去の裁判例に照らすと逸失利益の認定を受けられず、裁判所では労働能力喪失率を56%とされるところですが、本件では労働能力喪失率61.5%で解決しました。

ご依頼の経緯

〈どのような事故だったか〉

 仕事帰りにバイクで走行中、隣の車線から追い越しをかけてきた乗用車に接触されて転倒し、頭を強く打った事案でした。

 

〈どうして重症を負ったのか〉

 被害者は転倒時、頭を強く打ちました。ヘルメットの半分よりも上に損傷があることからもそのことがうかがわれました。これにより、外傷性くも膜下出血や脳挫傷の傷害を負い、その後も慢性硬膜下血腫に見舞われるなど経過が良くなかったことにより、高次脳機能障害を残すことになりました。

 

〈この事案の特徴〉

 被害者の方は、幸いにも回復されて職場復帰を果たしました。しかし、思うようなコミュニケーションができないことや、事故の前のように指示を受けたことを記憶することができなくなったことにより、仕事には様々な支障が生じていました。

 

〈ご依頼の経緯〉

 奥様が当法人のホームページをご覧になり、当法人が交通事故被害者救済の専門事務所であることを知り被害者の方に強く勧められたことが切っ掛けで相談おいでになり、初回の面談の際、ご依頼いただくことになりました。

結果(後遺障害部分)

〈後遺障害等級の認定〉

(1)退院とその後の通院

 無事退院され復職を果たされた後、主治医の先生はさほどの後遺障害を認めてはおられないようでしたので、その後の後遺障害診断をスムーズに執り行っていただけるよう、定期的に通院を続け経過観察を受けていただくことにしました。

 

(2)後遺障害等級申請サポート

 カルテの分析やご本人、ご家族からの聴取を繰り返し、後遺障害等級申請書類の下書きを作成し、主治医の先生にお届けしました。

 サポートにあたっては、カルテの記載やご家族の話から、自賠の審査にどうしても必要な知能検査(Wais-Ⅲ)と記憶検査(WMS-R)以外にも、BADS等下位検査も指定しました。軽度の高次脳機能障害では、微細な症状を客観化するため、下位検査の結果が役立つこともあります。本件でも、下位検査の結果を主治医の先生が吸い上げて下さり、当法人の作成した下書きに近い医学的意見書を作成していただくことができました。

 被害者の方は、顏に傷跡が残っていましたので、お仕事帰りに事務所にお立ち寄りいただいて傷の状態を挿絵にし、形成外科の医師に後遺障害診断を依頼しましたが、主治医の先生は、最も後遺障害等級を取得できそうな線状の傷跡を後遺障害診断書に記載して下さいませんでした。問い合わせをしても、後遺障害診断書に記載のとおりでそれ以上の傷跡はないとのことで、非常に悔しい思いをしました。

 しかし、だからと言って諦めるわけにはいきません。審査機関に対し、傷跡の審査に関し面談を申し入れ、依頼者とともに同行して傷の形やその評価の仕方について、考えるところを丹念に説明しました。

 

(3)後遺障害等級の取得

 等級申請の結果、高次脳機能障害については7級と、目標に掲げていた中で最高の結果を得ることができました。

また、顏の傷についても、面談の甲斐あって12級の認定を得ることができ、2つを合わせて併合6級の認定を受けることに成功しました。

 

示談交渉の経緯

〈示談交渉〉

 等級認定の結果を受けて損害賠償請求額と主張を決めて、相手の保険会社に請求書を送ると、示談交渉が始まります。本件でも、様々な判例や医療記録、刑事事件記録等から主張を作成し、請求書を作り上げて保険会社宛てに送りました。しかし、初回の回答まで時間がかかり、実に5か月間を要しました。 

 

 その間、相手保険会社の回答が滞っている理由を突き止めるべく、何度となく保険会社の担当者に連絡を取り、こちらの請求の内容や理由を伝えるようにしました。その結果、初回の回答で、高次脳機能障害7級に基づく逸失利益や慰謝料については、ほぼほぼ裁判基準満額の回答を得ましたが、顏の傷跡に関する逸失利益の評価がゼロで、過失割合についても疑義がある回答でした。

 

 そこで、過失割合については、取寄せていた刑事記録をもとに裁判になった場合に予想されるシナリオを相手保険会社のリスクとして示すとともに、顏の傷跡について、その位置と形状からして被害者の職業においても仕事への影響は大きいと主張して食い下がり、最後には最小限の過失割合まで減じ、かつ、顏の傷跡についての逸失利益の認定を受けることにも成功しました。

所感、争点

〈所感、争点〉

 この件は、後遺障害診断の時に、形成外科の主治医が思ったように診断書を作成してくれず、審査機関の面談で逆転して併合6級を取得した点に特徴があります。

 

 最近、脳神経外科の医師をはじめ、後遺障害診断に際し、当事者が訴える症状に向き合ってくれない医師が増えているように感じます。そのような場合は、当法人の協力医に要請して後遺障害診断をしてもらっています。

 

 このように、後遺障害診断時に主治医の協力が得られないといったイレギュラーな事態にも、当法人では、人脈と経験を生かし、被害者のために全力を尽くします。

 その意味で、この件は、当法人の経験やスピリットを遺憾なく発揮することができた事案であったと思います。

 

 また、本件では示談交渉において、過失割合を裁判基準まで寄せて解決することに成功し、顏の傷跡については、裁判所でもなかなか認めない後遺障害逸失利益の認定を保険会社から引き出しており、オールイズワンの粘り強い交渉姿勢が生きた事案であったと言えます。