むち打ち症(むちうち症)で12級が認められる場合というのはどのような場合なのか!?

むち打ち症(むちうち症)で12級が認められる場合というのはどのような場合なのか!?

むち打ち症で12級が認められるためには、画像検査、神経学的検査で異常所見が生じている部位と、実際に神経症状が生じている部位が整合していなければなりません。自賠責保険の等級認定手続では、この整合性が教科書どおりに求められているように思われます。

 

まず、例えば、頚椎の5番目と6番目の椎体の間に位置する椎間板が左側の神経根を圧迫している場合に痺れを生じるのは、医学の教科書どおりに言えば、左手の親指と人差し指です。ですので、左手の親指と人差し指の痺れを、事故から通院終了まで一貫して訴えている被害者の方が、MRI検査をしてみたら、頚椎の5番目と6番目の間に位置する椎間板が突出し、左側の神経根を圧迫していた場合には、神経症状と画像所見が整合しているということになります。

 

さらに、この画像が、いわゆる変性所見と言って、年をとれば誰の身体にも生じる経年変化によるものと見られれば、これは、外傷性の医学所見とは言えず、12級認定の可能性は絶たれます。外傷性の所見という認定が下された場合のみ、12級の余地が出てきます。

 

外傷性のMRI画像所見が、神経症状の発症部位と整合するだけでは不十分です。もう一つ、深部腱反射テストの低下の所見が、症状と整合する必要があります。左手の親指と人差し指に痺れのあるこの方の場合は、左腕の上腕二頭筋、または、腕橈骨筋の腱反射テストで反射低下の結果が出ると、症状と整合する医学所見ありということになります。

 

これらが全て揃えば、あとはMRIと腱反射テストの検査時期です。MRI検査結果は事故から3か月以内(できれば2か月以内)のものであること、深部腱反射テストの低下所見は事故から十数日程度のうちに得られたものであること(当弁護士法人では、事故から18日目に腱反射低下所見が得られたケースで12級の認定が得られたケースがあります)が必要です。

 

その他、12級の認定がなされるケースでは、知覚異常の発生部位や、スパーリングテスト、ジャクソンテスト等の結果も症状と整合している場合が多く、一通りの検査をしておくことが必要と思われます。

 

12級となると、賠償金にして14級の3~4倍になりますので、やるべきことはしておきたいところです。例えば、当弁護士法人の実績ですと、年収650万円の方が、12級に認定され、裁判基準での示談に成功して、1250万円の賠償金回収に成功した例があります。この方の後遺障害等級が14級であれば、賠償金回収額は350万円程度であったことになり、約3.6倍に跳ね上がったことになります。

 

勿論、この事案では、12級の取得に成功しただけでなく、裁判基準での示談交渉に成功しており、この示談交渉の出来次第で、獲得金額は大きく変わってきます。

 

弁護士選びのポイントは、第一に、後遺障害等級獲得に関与できる弁護士であること。第二に、裁判基準での示談交渉ができる弁護士であることということになります。

 

ちなみに、実際に裁判所に持って行けば、更に1年間程度要することがほとんどであり、早期解決という意味でも、裁判基準での示談解決には大きな意味があります。