脳外傷(遷延性意識障害・高次脳機能障害)専門の弁護士って何?
医学的問題に積極的に関与しなければならない理由
そもそも「脳外傷専門の弁護士」とか「遷延性意識障害・高次脳機能障害専門の弁護士」なんて、聞き慣れない言葉なのではないでしょうか。
でも、皆様、病院に行かれるときは、おなかが痛ければ内科・胃腸科、転んで怪我をして膝が痛ければ整形外科、頭を怪我したときは脳神経外科と、当たり前のように選別されるでしょう。そして、脳神経外科を訪ねれば、脳のCT検査に始まり、脳特有の検査をされ、専門医が画像を見ながら診断をされ、場合によっては今後出現する症状として予想されることを教えて下さったり、次の検査を指示して下さったりすると思います。
当弁護士法人では、頭に怪我を負った方が、検査や治療のために脳神経外科を訪ねるのと同じように、脳の後遺障害について相談するために訪ねていただき、後遺障害に関し予測されることについてお話しさせていただいたり、今後の医師との面談や、必要な検査についてお話しさせていただいたりします。
医師と会う際に、高次脳機能障害についての診断を促すための書類を作成したり、後遺障害の等級申請をするために必要な医学的書類の作成に積極的に関与したりします。
このような業務には取り組んだことがないという弁護士が、圧倒的多数のようで、弁護士の方々向けに講演した際も、「どうやったらそこまでできるのか。」というご質問を頂きました。
弁護士の業務である損害賠償請求の世界で、事実を主張するには証拠が必要です。脳に外傷を負って、そのせいで後遺障害が残ったという事実を認めてもらうには、医学的に見て脳に損傷が生じており、脳画像上の損傷所見やその他の検査結果が、生じている症状とマッチしていること等々について証拠が必要なのです。
そうすると、「その証拠作りに関与するのが、弁護士の仕事なのではないか。」、「『後遺障害等級が付くかどうかは、運次第で、脳神経外科の先生がどんな後遺障害診断をするかによる。』ではいけないのではないか。」
脳外傷専門の弁護士が、脳神経外科の領域に属する医学的問題に積極的に関与しなければならない。私たちは、そう考えています。
裁判基準での解決の重要性
遷延性意識障害を巡る医学的証拠などの収集に成功し、また、高次脳機能障害の評価を正しく受けることができたとしても、その後の示談交渉で、正しい損害額を勝ち取ることができなければ意味がありません。
特に、遷延性意識障害や高次脳機能障害の場合、賠償金額が多額になることが多く、例えば、介護費用について、1日いくらとして解決するかによって、賠償金額には数千万円単位の大きな差が出ます。
正しい額の賠償金を受け取るには、医学と関連する裁判例に精通し、訴訟になったらどのような結論となるかを見通せる弁護士の力が必要です。
示談交渉でどこまで確保すれば、訴訟と比べて遜色ない結論となるのかや、どのような場合に示談交渉に見切りを付けて訴訟に移行すべきなのかに関し、ご依頼者に対し的確なアドバイスをするためにも、相手保険会社や相手弁護士に対し、訴訟になったら医学的問題その他のどのような問題が焦点となり、相手にどのようなリスクが生じるのかを的確に伝え、十分な示談金額を確保するためにも、医学と訴訟実務に関する高い専門性が必要となります。
遷延性意識障害や高次脳機能障害は、被害者と家族の人生に大きな影響を及ぼす重大な障害です。
被害者と家族の未来を切り開き、少しでも不安を減らし、今後を前向きに歩んでいただくために、当弁護士法人では、徹底的に裁判基準での示談解決にこだわるとともに、訴訟や紛争処理センターでの事件解決など、案件にふさわしい解決方法について、積極的に提案させていただいています。
当弁護士法人の専門技術が、被害者の方とご家族の未来を切り開く一助となることができるよう、所員一同、今日も懸命に職務に取り組んでおります。
遷延性意識障害・高次脳機能障害専門の弁護士
当弁護士法人は、2014年に交通事故専門事務所として誕生しました。しかし、被害が甚大で高い専門性が要求される遷延性意識障害と高次脳機能障害の分野については、交通事故という専門分野の中でも、もう一段高い専門性が要求されます。そこで、当弁護士法人では、この脳の領域を専門分野の中の専門分野として、徹底的に技術を磨き込んでいます。
脳神経外科医の書面作成への関与や、検査に関する助言、裁判基準での示談交渉など、この領域についての技術力は業界トップレベルにあるものと自負しております。
また、技術力に終始することなく、被害者の方やご家族の不安や悩みを一緒に考える姿勢についても、ご依頼の皆様から、一大特徴とご好評をいただいており、経験の集積が実を結ぼうとしているように思います。