後遺症・症状の種類
眼の後遺障害
交通事故が原因で、眼に後遺障害を負ってしまうケースもあります。眼の後遺障害は大きく2つに分類することが可能です。
眼の後遺障害の分類
①眼球の障害 | 視力障害、調節機能障害、運動障害、視野障害 |
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②眼瞼の障害 | 欠損、運動障害 |
眼の後遺障害において、最も注意しなければならないことは、外傷に起因する他覚的所見によって、後遺障害の存在を証明しなければならないことです。そのため、眼の後遺障害において、適正な後遺障害等級の認定を受けるためには、眼の後遺障害に詳しい医師の下で通院をし、後遺障害診断書を作成していただく事が重要になります。
眼の後遺障害等級の認定においては、医学界の先端の検査方法とは異なる検査方法による結果が必要となることもあり、その意味でも後遺障害に詳しく、後遺障害等級認定に必要な検査とその結果分析をも得意とする医師の下での通院が功を奏します。
また、眼の後遺障害は、必ずしも眼に怪我を負ってしまったことが原因で引き起こされるものではありません。
眼の後遺障害の場合、交通事故が原因の頭部外傷によって視神経に影響が生じ、眼に後遺障害が残ることもあるのです。つまり、適正な眼の後遺障害の認定を受けるためには、眼科だけでなく、神経内科や脳神経外科での診察も必要になるのです。
このような点に十分注意しながら対応しなければ、眼の後遺障害において適正な等級認定を得ることは難しいと言えます。
眼球の後遺障害、眼瞼の後遺障害の認定基準はそれぞれ以下の通りになります。
①眼球の後遺障害の認定基準
1)視力障害
等級 | 認定基準 |
1級1号 | 両眼が失明したもの |
2級1号 | 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの |
2級2号 | 両眼の視力が0.02以下になったもの |
3級1号 | 1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの |
4級1号 | 両眼の視力が0.06以下になったもの |
5級1号 | 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの |
6級1号 | 両眼の視力が0.1以下になったもの |
7級1号 | 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの |
8級1号 | 1眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になったもの |
9級1号 | 両眼の視力が0.6以下になったもの |
9級2号 | 1眼の視力が0.06以下になったもの |
10級1号 | 1眼の視力が0.1以下になったもの |
13級1号 | 1眼の視力が0.6以下になったもの |
2)調節機能障害
等級 | 認定基準 |
11級1号 | 両眼の眼球に著しい調節機能障害を残すもの |
12級1号 | 1眼の眼球に著しい調節機能障害を残すもの |
3)運動障害
等級 | 認定基準 |
10級2号 | 正面を見た場合に複視の症状を残すもの |
11級1号 | 両眼の眼球に著しい運動障害を残すもの |
12級1号 | 1眼の眼球に著しい運動障害を残すもの |
13級2号 | 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの |
4)視野障害
等級 | 認定基準 |
9級3号 | 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの |
13級3号 | 1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの |
②眼瞼の後遺障害の認定基準
等級 | 認定基準 |
欠損に関すること | |
9級4号 | 両目の瞼に著しい欠損を残すもの |
11級3号 | 1眼の瞼に著しい欠損を残すもの |
運動障害に関すること | |
11級2号 | 両眼の瞼に著しい運動障害を残すもの |
12級2号 | 1眼の瞼に著しい運動障害を残すもの |
13級4号 | 両眼の瞼の一部に欠損を残しまたは睫毛はげを残すもの |
14級1号 | 1眼の瞼の一部に欠損を残しまたは睫毛はげを残すもの |
当弁護士法人では、眼に後遺障害が残る可能性がある場合、適正な後遺障害等級の認定を得るために必要な方針をご提案させていただきます。
眼に後遺障害が残るかどうか分からない場合であっても、交通事故に遭って眼に違和感やご心配をおぼえた方は、お気軽にご相談下さい。お待ちしております。