解決実績

保険会社1,990万円の提示を2,970万円にアップさせた死亡事故の事例

死亡事故について、保険会社の1,990万円の提示を2,970万円にアップさせた事例

保険会社1,990万円の提示を2,970万円にアップさせた死亡事故の事例

死亡事故について、保険会社の1,990万円の提示を2,970万円にアップさせた事例
後遺障害内容・部位
診断名・症状名
後遺障害等級
主な自覚症状
提示金額
1,190万円
1,880万円
弁護士交渉後
2,970万円
提示金額
1,190万円
1,880万円増
弁護士交渉後
2,970万円

オールイズワンに後遺障害等級認定・示談交渉サポートを受ける前と
受けた後の違い

賠償項目 獲得金額
死亡慰謝料 2,520万円(裁判基準超)
死亡逸失利益(家事労働) 1,130万円(裁判基準超)
死亡逸失利益(年金) 470万円(裁判基準超)
合計額 4,120万円(裁判基準超)
(30%過失認定事案のため、取得額は2,970万円)

ご依頼の経緯

とある日曜日、交通事故で亡くなられたお母様の損害賠償について、「保険会社から示談案が提示されたが、適正なのかどうかわからない。やや低いのではないか。」と、ご子息3名でご相談においでになりました。 

示談交渉の経緯

1. 本件では、ご依頼の当初から相手に弁護士が付いており、示談交渉は、弁護士間で進みました。

双方併せて10通以上の詳細な書面のやり取りがなされたばかりでなく、その書面のやり取りの合間に、様々な問題点について、口頭で弁護士間の交渉がありました。
当初、先方は慰謝料について、2,000万円を下回る提案に終始し、逸失利益の評価も格段に低かった他、事故態様についても、本来、被害者に4割の過失がある事故であるとして譲りませんでした。

 

2. まず、慰謝料の点について、相手は、子に母親が不可欠な年齢でない限り、母親であったからという理由で慰謝料額を高く評価することはできないと主張してきました。

そうでしょうか。親子はいくつになっても親子です。親子として重ねてきた歴史が長く、絆が深ければ深いほど、母親を失った時の精神的苦痛は大きいはずです。
また相手方は、高齢者については慰謝料額を低く評価すべきと主張してきました。
たしかに、裁判例上、被害者が高齢の場合に慰謝料を低く見積もる事例は多くありますが、健康で元気なお母様が、突如として事故で亡くなられた場合、いたずらに慰謝料額の評価を下げることは、損害賠償法の領域において正しい評価とは言い難いものです。

 

そこで、過去の裁判例を分析し、子の年齢を問わず、慰謝料額を高額に評価した事例が多数存在していることを示し、他方で、高齢者であること自体は、慰謝料算定の判断に影響を与えないことなどを主張し応戦しました。

 

3. 死亡逸失利益については、被害者の方は生前、70歳代とは思えないほど、てきぱきと家事をこなしておられたことから、その家事労働能力が失われた点につき正しい評価を得られるよう、主張を練りました。

まず、その算定の礎となる基礎年収については、裁判所の判断に多く見られる標準金額の1.25倍に設定してこれを固持し、他方で、生活費控除率()についても、先方の40%の主張をはねのけ、30%の認定を受けました。

 

※ 生活費控除率・・・被害者が亡くなられた場合、収入がなくなりますが、生存していれば生じたはずの生活費も発生しなくなります。
そこで、逸失利益に占める、被害者の方が生存していた場合に費やしていたであろう生活費の割合相当額を、逸失利益額から控除するというのが裁判例の考え方で、その控除額の逸失利益に占める割合を、生活費控除率と言います。

 

4. 過失割合について、本件は、自転車に乗って走行中の被害者が自動車にはねられた事故で、当初は基本的な事故態様についても争いがありました。

しかし、最終的には、当方の主張どおりの事故態様が認められました。
また、事故後、自転車のライトが故障していたところ、先方は、警察官作成の捜査資料に、本件事故による破損等は認められないと書かれているので、ライトは事故前から故障していたことになるとして、被害者は不灯火であったに違いない(したがって、被害者にはより大きな過失がある)と主張してきました。
しかし、ライトに「破損」等外見的な傷はなくとも、事故の際、自動車に衝突された衝撃や、それにより転倒した衝撃で、自転車のライトが故障するケースは五万とあるでしょう。その点を主張し、不灯火の事実は存在しなかったという前提で示談することに成功しました。

所感、争点

死亡事故は、何の前触れもなく、一瞬で大事な家族の命を奪う、この上なく悲しい事件です。
ご遺族には、心の準備をする暇もありません。今朝まで元気だった家族が、もう一言も話してはくれません。目を開けてくれることもありません。
およそ、損害賠償で埋め合わせることなど、もはやできない事態です。

しかし、このような事態においては、やはり、きちんと筋を通したいというのが、家族の思いではないでしょうか。
家族はもう帰ってこないけれども、どういう方であったのか、この先どんな未来が待っていたのか。
それらの事実を、唯一、形にできるのが、損害賠償の世界なのではないでしょうか。
それを加害者サイドに訴えることなく事件を収束するという選択肢など存在しないはずです。

我々は、そのようなご家族の思いを受け止め、そして、それを形にしていくことに全力を尽くします。
示談の標準は、裁判所の標準でなければなりません。きちんと筋を通すこと、被害者の生前の姿を、事故さえなければあったであろう揚々たる未来を、ありのまま、再現しなければなりません。

当弁護士法人は、裁判所基準での示談解決を徹底的に模索してきた事務所です。
まずはご一報下さい。そして、事故の被害に遭われたご家族のお話をお聞かせ下さい。
ご家族のため、そして何より、亡くなられた被害者のため、私たちの持てる力の全てをもって取り組ませていただきます。