40代男性が頚部痛・左手指しびれ等と腰痛の両方につき14級を取得し、示談で309万円を獲得した事例
40代男性が頚部痛・左手指しびれ等と腰痛の両方につき14級を取得し、示談で309万円を獲得した事例
後遺障害内容・部位 | ①頚部・上背部・痛、左肩甲周囲~左手指のしびれ、 ②腰~臀部にかけての疼痛 |
診断名・症状名 | |
後遺障害等級 | ①、②についてそれぞれ14級9号を取得し併合14級 |
主な自覚症状 | 頚部・上背部・痛、左肩甲周囲~左手指のしびれ、 腰~臀部にかけての疼痛 |
オールイズワンに後遺障害等級認定・示談交渉サポートを受ける前と
受けた後の違い
賠償項目 | 獲得金額 |
後遺障害慰謝料 | 110万円(裁判基準) |
後遺障害逸失利益 | 82万円(裁判基準) |
傷害慰謝料 | 106万円(裁判基準) |
その他 | 11万円 |
合計 | 309万円(裁判基準) |
ご依頼の経緯
《どのような事故だったか》
ある春の日の昼下がり、休日にドライブを楽しまれていた40代の男性が17号線を熊谷方面に向かっている時、上尾市役所前の信号手前あたりから渋滞で車の流れが悪くなってきていたため車間距離を長めにとりながら時速3~40kmで走行中の出来事でした。後方からスピードを上げて走行してきた加害車両が追い越し車線に車線変更しようとした際、追い越し車線を走行中だった車両に接触して走行車線に跳ね返され、そのまま前方を走る被害車両に追突したという事故でした。
《どうして重いむち打ち症を負ってしまったのか》
追突事故の中でも、この件は停車中の事故ではなく走行中の事故でした。被害車両は自走不能な程度の損傷を受けており、加害車両のブレーキが間に合わずかなりの速度で突っ込んできたことがうかがわれ、この衝撃の大きさや、加害車両の予測の付きがたい動きが、重いむち打ち症を引き起こしたと思われます。
《この事案の特徴》
この事案の被害者の方は、牛乳配達の仕事をされており、1ケースあたり30キロもあるケースを持ち上げて荷積み、荷下ろしをしなければなりませんでした。夜勤で栃木まで配達する仕事のご担当で、事故後の業務はかなりの苦痛を伴うものでした。ですのでこの事故の怪我による影響は甚大で、何としても後遺障害等級を取得しなければなりませんでした。
また、事故被害に遭えばどんな方でも精神的に沈みますが、この方は事故後、日々の仕事がとても大変になってしまったことや、通院先病院の先生が話を聞いてくれないストレスも重なり、落ち込み方は通常のケース以上に激しいものでした。このような実態を評価するには甚だ不十分な損害賠償制度のもと、やはり、後遺障害等級の取得が切に望まれる事案でした。
《ご依頼の経緯》
事故受傷から3か月くらい経過した時点でご相談いただきました。きっかけは、ご通院先の病院の先生が痛みの訴えをあまり聞き入れて下さらず、それがストレスとなったことでした。当法人で転院先病院を一緒に探し、最終的には栃木までの配達ルートの途中にある東京都内の病院を紹介して通っていただくことになりました。
結果(後遺障害部分)
《通院治療中のサポート》
本件は、とにかく後遺障害等級を取得したい事案でしたので、ご依頼後は、転院された整形外科の先生に対し、どのように症状を伝えれば正しく伝わるかといった点や、薬剤によって血圧が上がってしまうといったご相談にも乗りながら、被害者の方には、痛みやしびれの原因について主治医の先生に尋ねていただいたり検査を受けていただいたりを繰り返していました。このようにオールイズワンでは、通院治療中、後遺障害等級を取得するためのサポートを行っています。
《後遺障害等級認定》
後遺障害等級認定に際しては、頚椎、腰椎のMRI画像所見も重要ですが、むち打ち症の後遺障害では、場合によってはそれ以上に、通院の中でしっかりと症状を伝達し、それが記録されていくことや、後遺障害診断時の神経学的検査と呼ばれるいろいろな検査で異常が生じていることが重要です。特に、この件のご依頼は事故から3か月以上経過後で、MRI検査も事故から3か月以上経ってから行いました。このような場合、自賠責保険の審査では、事故から3か月以上経ったMRI画像だから、事故による怪我とは関係がない画像であるという捉え方をされてしまいます。ですので、それ以外の部分が重要でした。そこで、スパーリングテストやジャクソンテストに加え、各部位の筋力、深部腱反射テストや知覚の異常、可動域の制限なども詳細に記入して下さるよう主治医の先生に要請したところ、全ての検査で異常を認める結果が出て、これを後遺障害診断書に記載していただくことができました。
その後、車両に生じた重度の損傷なども証拠添付して後遺障害等級申請をしたところ、首についても腰についても後遺障害14級を取得することに成功しました。
示談交渉の経緯
本件では、被害者の牛乳配達という職業の特質上、重い物を常に持ち運びしなければならず、遠距離の配送を担当されていることから、被害者の方は、いつ仕事に出られなくなって職を失うかもしれないという恐怖の中におられました。
相手保険会社は、減収がないのだから大した後遺障害ではなく、賠償金が減額されるべきといった主張をしてきました。これに対し当方は、仕事を休めず復職しており休業損害もそれほど多額ではないが、それは本人の努力や工夫の賜物で、本来的にはその点が慰謝料の増額として考慮されなければならないこと、被害者の仕事の性質からして、怪我のせいで仕事ができなくなった割合は、普通の仕事の人と比べてもかなり大きいことなどを主張して応戦し、慰謝料、逸失利益とも裁判基準の満額で解決することに成功しました
所感、争点
当法人は常に被害者側で代理人業務をしているため、被害者の方に生じているいろいろな苦痛を評価してくれない損害賠償制度自体を呪いたくなる日もあります。「後遺障害等級が取得できなければ、残念ながら事故後に味わわれた様々な苦痛については評価致しかねます。」そんな風にいわれているような気分になることもあります。それくらい、被害者の方は交通事故により様々な苦しみや悲しみ、悔しさを味わわれます。
しかし、だからこそ、後遺障害等級の取得にはこだわって業務に取り組んでいるのがオールイズワンのメンバー達です。受任から、後遺障害の認定、示談交渉まで、一貫して妥協のない業務遂行がモットーです。
本件でも、事務所一丸となって被害者の方の通院治療をサポートし、後遺障害等級申請時のアドバイスを行い、無事、等級を取得して、裁判基準満額での示談解決の日を迎えることができました。
後遺障害のことで悩んだら、事故後、あまりにいろいろなことが理不尽でくじけそうになったら、決して一人で抱えないで下さい。
先ほどまで事務所にいらしていた新規のご依頼のお客様にも申し上げました。「誰も話を聞いてくれなくて、むしゃくしゃしたら、お電話下さい。」オールイズワンでは、被害者の方の心の機微と向き合うことも、法律事務所の重要な任務であると考えています。