後遺障害内容・部位 | 下肢醜状痕 |
診断名・症状名 | 左脛骨骨幹部開放骨折 |
後遺障害等級 | 12級 |
主な自覚症状 |
オールイズワンに後遺障害等級認定・示談交渉サポートを受ける前と
受けた後の違い
賠償項目 | 獲得金額 |
後遺障害逸失利益 | 900万円(裁判所基準超) |
後遺障害慰謝料 | 290万円(裁判所基準) |
休業損害 | 110万円(裁判所基準) |
傷害慰謝料等 | 134万 |
合計 | 1,434万円(裁判所基準超) |
ご依頼の経緯
夜の8時頃、近所に出かけた際に横断歩道を歩行中、交差点を右折してきた普通乗用自動車に衝突を受けて被害者は転倒しました。それにより被害者は、左脛腓骨骨幹部開放骨折を負い激痛に見舞われた他、左下腿に複数の大きな挫創を負い、皮膚移植が必要となるほどの大けがを負いました。
事故から4か月が経過した頃に、自身に残された後遺障害について不安を抱き、当法人のホームページをご覧になられて、ご依頼を受けました。
結果(後遺障害部分)
(1)被害者の方は、20日間以上入院の後、約1年間にわたりリハビリのため病院に通いました。その甲斐あって、膝や足首の動きは良くなりましたが、痛みがなくなることはなく、膝下には事故で受けた傷が細長くクッキリと残ってしまい、太腿には皮膚移植をした際の大きな採皮の痕が残りました。
残されたこれらの症状について後遺障害等級を取得しなければ、十分な賠償金を受け取ることはできません。
(2)また、下肢に残った傷跡の等級認定では、その面積がとても重要です。被害者本人の手の平(指の部分は含みません。)1個分以上だと14級、3個分以上だと12級という具合です。
14級から12級かにより、2~3倍程度の差が付くことも珍しくありません。被害者の方の傷は、全ての傷跡の面積を合計すると、その捉え方次第では手の平3個分以上(12級相当)と見ることが可能でした。そこで、後遺障害診断の際、主治医宛てに傷跡を描写して各傷の寸法を書き入れたメモを差し入れたところ、主治医の先生はそれに沿って後遺障害診断書を作成して下さいました。
残された痛みについても後遺障害診断書に明記していただき、等級申請を行ったところ、「後遺障害12級相当」という結果を得ることができました。
示談交渉の経緯
等級認定を得たものの、醜状痕については、交渉上大きな問題がありました。
そもそも、損害賠償法上、後遺障害等級の取得の大きな価値は、取得した等級相当の労働能力喪失率が認められることにあります。つまり、その分だけ仕事ができなくなっているはずであるという理由で、後遺障害逸失利益が加算されることになるのです。
ところが、傷跡の後遺障害について、日本の裁判所はそれにより認定された等級の分だけ仕事ができなくなったとは認めてくれません。下肢の後遺障害については特にこの傾向は強まります。これを背景として、保険会社各社も軒並み後遺障害逸失利益を否認してきます。
しかし、被害者の方は、ドライバーとしての仕事の中でも残された傷跡とその痛みにより思うようにいかないことが多々ありました。その点を丹念に訴えたところ、保険会社は初回の回答で約600万円の後遺障害逸失利益を認めてきました。しかし、これは、初めの5年間だけ12級相当の労働能力喪失率14%を認めるが、その後は5%とするものでした。
そこで更に仕事上生じている制限を訴えるとともに、強度の精神的苦痛により慰謝料自体増額されるべきであるという主張を重ね、最終的には67歳までの32年間について12級相当の14%の労働能力喪失率の認定を勝ち取ることができました。これにより、後遺障害逸失利益は約900万円となりました。先に述べた裁判所の態度からすると、裁判基準を大きく超える認定を得られたことになります。
これに、後遺障害慰謝料の裁判基準満額290万円などを加え、総額1,434万円での解決となりました。
所感、争点
後遺障害として何級が認定されるかは、後遺障害診断書に何が書かれるかによって変わります。下肢に残された傷跡については、それぞれの傷がどのような形で、全ての傷跡を合わせた面積が何平方cmと記載されるかによります。
オールイズワンでは、被害者の方に残された傷痕を全て把握し、その大きさを実際に測定して漏らさず主治医の先生に伝えています。
お引き受けする前に作成された後遺障害診断書を見せていただくと、記載されていない傷跡があったり、寸法が実寸よりも小さく記載されていることがよくありますので、傷跡を被害者の側から主治医にしっかり伝える努力をすることが非常に重要であることが分かります。
今回、後遺障害等級の認定がなされなければ、賠償金は百数十万円となったはずですので、示談金額から90%も減少した金額となってしまっていたことになります。
事故で被った精神的苦痛をしっかり形にし、事故のことをできる限り忘れて次のステップに進んでいくため、まずは後遺障害が分かる弁護士に相談されるべきです。