頭の骨折後の高次脳機能障害につき7級を取得し、5,131万円で示談解決した事例です
後遺障害内容・部位 | 高次脳機能障害 |
診断名・症状名 | |
後遺障害等級 | 7級4号 |
主な自覚症状 | 記憶障害・人格変化・情動障害 |
オールイズワンに後遺障害等級認定・示談交渉サポートを受ける前と
受けた後の違い
賠償項目 | 獲得金額 |
後遺障害慰謝料 | 1,000万円(裁判基準) |
後遺障害逸失利益 | 3,927万円(裁判基準超)※1 |
傷害慰謝料 | 200万円(裁判基準) |
合計額 | 5,131万円(裁判基準超) |
7級の高次脳機能障害による労働能力喪失率について、裁判所の基準は一般的に56%とされています。
しかし、本件は被害者の方が事故前と同じ仕事に戻られ、減収が全くない事案であり、このような場合、裁判所が56%の喪失率を認めることは非常に希です。
本件では、示談交渉上、56%の労働能力喪失率で示談解決できたことに大きな意味があります。その他詳細は本文をご覧下さい。
ご依頼の経緯
交通事故で脳外傷による高次脳機能障害を負われ、相手の責任をきちんと問いたいと、ウェブ上で専門性の高い事務所を探していたところ、オールイズワンのホームページをご覧になりご相談にいらしたのがきっかけでした。
結果(後遺障害部分)
本件では、面談を拒絶された主治医に対して医学的情報を正確に伝えることがポイントでした。そのため、入念に照合と整理をおこない、その記録を郵送しました。
高次脳機能障害の症状を確認
被害者の方は、事故前の職場に復帰されましたが、かなり大きなご自身の変化を感じておられるようでした。特に、記憶障害に関しては、お仕事との関係で大きな問題となっていました。
感情のコントロールもうまくいかず、近所の方と怒鳴り合いをするようになったとのことでした。非常に温厚であったはずの被害者の方の変化に、奥様も動揺を隠せませんでした。
明らかに高次脳機能障害の症状があることをご本人も奥様も確認されていました。
医療記録の照合と整理をおこなう
このような実態をご本人や奥様から教えていただいて整理した上、弁護士は事故当日からその後のリハビリテーションを通じ取得した全医療記録の情報と照合し、矛盾がないように整理しました。
主治医の先生へのサポート
本件では、主治医の先生の所属先病院が医師面談を拒絶されましたので、まずは郵送で一通りの情報を送り、これに基づき主治医の先生において後遺障害診断関連の書類を作っていただくことにしました。
その内容は、オールイズワンの整理を良く踏まえていただいたもので、お願いした神経心理学的検査も全て実施していただきその検査結果を添付して下さいました。
後遺障害7級の認定を取得
これをもとに等級申請したところ、後遺障害7級の認定を得ることができました。実は、この等級申請は、10年以上の弁護士経験の中でも最も困難なものであったため、正直驚きの結果でした。
検査結果についても、この被害者の方のIQレベルだと、臨床の医師の方に正常値だから後遺障害診断書は書けないと言われてしまうこともあります。
私たちオールイズワンの整理した書類をきちんと見て下さり、申請書類を作成して下さった主治医の先生への感謝の気持ちで一杯になりました。
示談交渉の経緯
7級取得後の相手保険会社との交渉では、慰謝料・示談金が裁判基準より高額になるように示談交渉を行います。妥協せずにこちらの主張・立証を展開しました。
労働能力喪失について激しく交渉
後遺障害7級の認定を受け、交渉を開始しました。こちらの主張・立証が功を奏し、労働能力喪失率56%について認定を受けることができましたが、その他にも、労働能力喪失期間は60歳までしか認められないという反論を受けました。
たしかに、60歳定年ということは明らかでしたが、法定の再任用制度があり、その給与体系についても証拠を示して交渉することができました。これにより、労働能力喪失期間に関する相手の反論を退けました。
100%の慰謝料を獲得
さらに、慰謝料について、裁判ではないから裁判基準満額は支払えないという相手の反論がありました。これに対して弁護士は、再度、医学的事実に基づく慰謝料増額の要請などを訴えます。そして、最終的に100%の慰謝料を獲得することに成功しました。
所感、争点
この案件のポイントは2つあって、一つは医学的根拠が薄い中で、症状に相応しい後遺障害等級を取得するためのハードルが非常に高かったことでした。
オールイズワンの高次脳機能障害の主治医へのサポート
オールイズワンでは、本案件については、日常的におこなっている主治医へのサポートに専心しました。つまり、医療記録をしっかり精査し、被害者ご本人とご家族の話をよく聞いて、これをもとに、等級認定に必要な情報を漏れなく主治医に伝え、必要な検査の依頼をすることです。
検査の実施による症状の裏付け
本件では、結果的にこの方針が的中しました。症状に相応する医学的な根拠が薄い中、ご家族とご本人の話から、健忘の期間等を正確に書面にしたためることができました。
そして、2本柱の知能検査と記憶検査の他にも下位検査をいくつか実施していただけたことによって、注意機能障害や情動障害についても検査の裏付けを与えることができました。
7級という上位等級の取得を実現
このような、半ば愚直な取組みにより高次脳機能障害の等級取得という、本件では非常に高かったハードルを超えることができたのだと思います。
しかも高次脳機能障害の程度についても、12級、9級という下位等級がある中で、7級を取得できたことは、オールイズワンの今後の高次脳機能障害被害者の救済にも大きなプラスを生み出してくれると思います。
逸失利益の労働能力低下を主張
この件の2つめのポイントは、後遺障害逸失利益の問題でした。7級を取得できたことによって、56%という半分以上の労働能力ができなくなったという主張をすることが可能となりましたが、これを裏付けていくことは非常に困難を伴いました。
しかし、オールイズワンでは、後遺障害等級申請前の段階から関わり、高次脳機能障害の各症状を医師の意見の裏付けがあるものとして書面に残せるという強味があります。この強味を存分に生かして交渉しきった事案でした。
高次脳機能障害の被害者の方・ご家族はオールイズワンにご相談ください
医学的な取組みと交渉力との両輪が咬み合わないと十分な賠償を得られないというのが高次脳機能障害の損害賠償だと思います。
高次脳機能障害のような事故に遭われた被害者の方はできるだけ早期に、専門の弁護士に依頼されますようお願い致します。