後遺障害内容・部位 | 頭部 |
診断名・症状名 | 脳挫傷 |
後遺障害等級 | |
主な自覚症状 |
オールイズワンに後遺障害等級認定・示談交渉サポートを受ける前と
受けた後の違い
賠償項目 | 獲得金額 |
死亡慰謝料 | 2,500万(裁判基準) |
主婦休業損害 | 90万(裁判基準) |
死亡逸失利益(家事労働) | 1,800万(裁判基準) |
死亡逸失利益(年金) | 480万(裁判基準) |
その他合計額 | 5,000万(裁判基準超)※ |
ご依頼の経緯
〈どのような事故だったか〉
午前9時30分頃、自転車で出かけた60歳代の女性が、信号のない交差点の横断歩道を自転車に乗って横断する際、右折してきた自動車と接触し転倒した事故でした。
〈どうして死亡という重大な結果が生じてしまったのか〉
被害者は、転倒した際、頭を強く打ち、脳挫傷等の傷害を負いました。その後、開頭減圧術に加え、3か月間の治療に耐えられましたが、脳挫傷が致命傷となり亡くなりました。
〈この事案の特徴〉
亡くなった被害者の方は、まだ60歳代で極健康な女性でした。家族を懸命に支えて来られた被害者は、ご家族にとって心の支えでもありました。そんな被害者の無念と、奥様であり母を失ったご家族の喪失感について正しい評価を求め、また、特に残されたご主人に経済的な支えを残すことが、本件における使命でした。
〈ご依頼の経緯〉
自転車で元気にお出掛けになったお母さまが事故で帰らぬ人となり、お父様の面倒を看る人がいなくなってしまったと、途方に暮れて息子さんが相談においでになりました。
示談交渉の経緯
〈示談交渉前の周辺サポートとその必要性〉
1.本件では、示談交渉開始の前に、刑事手続被害者参加の申立てを行いご遺族の被害感情を訴え、さらに、先天的理由でご依頼者のお兄様(被害者のご長男)に成年後見人を付する必要があったことから、後見開始の審判申立てを行うなど、示談交渉以外のサポートも示談交渉と並行して行いました。
2.刑事手続は、民事の示談交渉よりも圧倒的にスピーディーに進んでいきますので、いち早く対応する必要があります。このような刑事手続に関与することにより、場合によっては捜査機関が把握していない目撃者を見つけられるようなこともあります。また、被害者のご遺族の認知能力の問題や、ご遺族が未成年者であることなどによって、後見人を付ける手続が示談交渉より先に必要となる場合があります。オールイズワンでは、この点のサポートも積極的に行っています。
〈結果~示談交渉の経過と交渉のポイント〉
1.本件の示談交渉では、死亡慰謝料につき早々に2,500万円の認定を受けることに成功しました。
死亡慰謝料の裁判上の相場として、亡くなった被害者が母親や妻である場合、2,500万円とされており、本件ではまず、この点をクリアすることに成功しました。
被害者が、まだまだ健康な60歳代で、しかも、脳梗塞の後遺症で苦しむ夫や、先天的に脳の病で施設にいる長男の面倒を見ながら日々元気に暮らしていたことを積極的に主張し、立証していったことが功を奏したのだと思います。
2.(1)死亡逸失利益~基礎年収(☆1)の評価について
他方、死亡逸失利益については強烈な反論が待っていました。相手保険会社は、被害者が既に69歳であったことから、生前から高齢者なりの家事しか行っていなかったはずであるとして、若年層も含めた主婦一般の60%程度の評価が相応しいと主張してきたのです。
しかし、本件の被害者は、生前、脳梗塞の後遺症を残す夫と、先天的に脳に障害を持つご長男の面倒を看ながら、若い主婦に勝るとも劣らない家事を日々こなしてきた人でした。そんな人の家事労働が、一般的な主婦の60%程度に見積もられてしまうということは、到底納得できることではありませんでした。
そこで、被害者の次男にあたるご依頼者にご協力いただき、被害者がいかに大変な家事に取り組んできていたか、施設に入っているご長男の生活をいかに支えてきていたかなどを報告書にしたため立証するとともに、被害者のパートや交友関係等について詳細を述べ、極めて元気な日常生活を送っていたことを訴えました。
これにより、被害者の生前の家事労働については、健康な若い主婦と同等の評価がなされるべきであるという点について、相手保険会社の納得を得ることに成功しました。
☆1基礎年収:死亡逸失利益算定の基礎とされるべき被害者の生前の年収を言います。家事労働については、通常、全女性の平均賃金をこの基礎収入とすべきと考えられています。もっとも、高齢者の場合は、これよりも低い年齢別の平均賃金や、さらにその年齢別平均賃金の60~80%が基礎収入とされる場合があります。
(2)死亡逸失利益~生活費控除率
相手保険会社はさらに、家事労働についても、年金についても、生活費控除率を50%とする旨主張してきました。被害者が亡くなられた場合、収入がなくなりますが、生存していれば生じたはずの生活費も発生しなくなります。そこで、被害者が生存していた場合に費やしていたであろう生活費の分は、割合的に逸失利益額から控除すべきであるというのが生活費控除率の問題です。
もちろん、生活費控除率ゼロというわけにはいきませんが、それでも50%も控除するというのは行き過ぎで、これによれば逸失利益は半分になってしまいます。そこで、同種事案に関する裁判所の考え方に沿って粘り強く交渉し、家事労働については30%、年金については40%の生活費控除率でもって解決に漕ぎつけました。
(3)死亡逸失利益の倍増
オールイズワンの交渉により、相手保険会社が当初主張していた死亡逸失利益1,197万円は2,280万円になりました。これは、相手保険会社の提示額の約2倍にあたります。
(4)裁判基準超え
死亡慰謝料と逸失利益のどちらかを多く認めたらどちらかを切り下げようとする裁判例の傾向からすると、その両方について裁判基準の中でも高い金額を取得した本件は、裁判基準を超える解決を達成することができた事案ということになります。
所感、争点
本件では、69歳で亡くなった母について、その家事労働をいかに相手保険会社に評価してもらうかが問題でした。69歳という年齢自体も、今日では高齢と言うにはまだまだ早い年齢です。また、家事労働というものは被害者の方により個人差が大きく出るもので、ご年齢を問わず、その抱えている事情によっては大きな負担を抱えている主婦の方もいらっしゃいます。したがって、そのような事情を丹念に相手保険会社に伝え、亡くなった被害者が大変な家事を担っていたことを訴えていかなければなりません。
オールイズワンでは、このような家事労働に関する主張立証に力を入れており、本件もその一例です。
また、死亡事故については、本件のように、刑事手続被害者参加や後見開始の審判申立等の手続や、相続の問題についてもサポートさせていただいております。後見については候補者の紹介も含めてご相談に乗っていますので、ご遺族だけで問題を抱えず、いつでもご連絡下さい。