顔の傷跡につき9級取得成功後、保険会社が逸失利益を0としたため、弁護士が顔の傷は小さくないことを主張し総額2,214万円で解決した事例

顔面の6㎝線状痕につき9級取得成功後、保険会社が逸失利益を0としたため、弁護士が顔の傷は小さくないことを主張し総額2,214万円で解決した事例

顔の傷跡につき9級取得成功後、保険会社が逸失利益を0としたため、弁護士が顔の傷は小さくないことを主張し総額2,214万円で解決した事例

顔面の6㎝線状痕につき9級取得成功後、保険会社が逸失利益を0としたため、弁護士が顔の傷は小さくないことを主張し総額2,214万円で解決した事例
後遺障害内容・部位 顔面に残された6㎝の線状痕
診断名・症状名
後遺障害等級 顔面の6㎝の線状痕について9級16号を獲得
主な自覚症状

オールイズワンに後遺障害等級認定・示談交渉サポートを受ける前と
受けた後の違い

賠償項目 獲得金額
後遺障害逸失利益 1,353万4,463円(裁判基準超)※1
後遺障害慰謝料 690万円(裁判基準)
傷害慰謝料 152万9,000円(裁判基準)
合計額 2,214万1,323円
※1 労働能力喪失率 20%
※1 労働能力喪失期間49年間(18歳~67歳)
裁判所も含め、顔の傷跡によって仕事ができなくなるとは言えないという考え方が支配的です。顔の傷跡について、裁判所が一部の事例に限って認める後遺障害逸失利益の最高水準は、労働能力喪失率20%で67歳までの認定です。
本件は、この最高水準での賠償金認定を受けることに成功した事案です。

ご依頼の経緯

被害者のお母さまは、ひどくお疲れになったご様子で事務所においでになりました。

お話しを聞けば、「子供が小学校からの下校途中に事故に遭い、顔に傷を負ったが、相手保険会社の態度や対応は、およそ誠意のあるものとは言えません。子供の問題で、いったいどのくらいの賠償の問題になるのかもわかりませんが、とにかく一番良い弁護士にお願いしたいと思ってインターネットを検索しました。それが仮に北海道であっても、九州であっても、私は子供のために飛んでいこうと思っていたところ、オールイズワンのホームページを見つけました。」とのことでした。

被害者のお母様の「一児の親として、子供が将来大きくなった時、できる限りのことをしたと伝えてあげたい」というお気持ちに弁護士は痛く感じ入り、是非ともお役に立ちたいとの思いで、この件をお受けしました。

結果(後遺障害部分)

被害者は、まだあどけなさの残る小学5年生の少年でした。ご依頼の当初は、むち打ち症による頚部痛も抱えていたため、一刻も早く症状を軽減するために的確な治療を十分に受ける必要がありました。

お母さまは、当時通っていた地元総合病院の整形外科担当医が話をよく聞いてくれず、そのこともストレスになっているとおっしゃっていました。

そこで、オールイズワンが他の病院の紹介をおこない、そこに転院していただくことにしました。

顔に傷を負われた方が、整形外科医を受診される場合は注意が必要です。顔の問題は、本来的に整形外科の専門領域外となるため、顔の傷については後遺障害診断書に書けないとおっしゃる整形外科の先生も相当数いらっしゃるからです。

この件でオールイズワンが紹介した整形外科の院長先生は、顔の傷についても後遺障害診断書をご作成いただける方でした。結局、転院先病院に9か月半に渡り通院を続けられ、後遺障害診断書を作成することになりました。

後遺障害診断書には、主治医の先生に挿絵入りで詳細に傷の態様をご記載いただき、等級申請を行いました。また、等級の認定にあたり、是非とも自賠責保険調査事務所に傷の形や大きさを見ていただきたかったので、予め書面で、等級審査に際し面談の機会を持っていただくよう要請しました。

暫くすると、調査事務所から面談日設定の連絡が入り、弁護士も、被害者、お母さまと共に千葉の調査事務所に赴きました。面談では、2人の調査担当者が、物差しを片手に代わる代わる入室します。

担当者によっては、被害者の顔の傷の絵を書きながら、大きさを測り、見た目に目立つ程度の傷と評価してよいかを確かめます。

席上、弁護士から傷の形をまず説明してから調査に入っていただく形式で臨みました。傷を見たときの最初の印象自体を、こちらの考えている傷の形、被害者やお母さまが気にされている傷の形に近づけたいからです。

その甲斐あってか、調査事務所の方は、「7~8cmの傷と見てもよいかも。」と、主治医(6cm)以上に大きな線状痕と把握してくれたようでした。

こちらの狙いは9級の取得で、その要件は5cm以上の線状痕ですから、主治医の書いて下さった6cmでも十分とも思われますが、被害者の傷は眉毛にかかっており、眉毛にかかる部分は目立たないことから後遺障害として顔の傷は小さいとして評価がなされないことがあります。

ただの5cm以上の線状痕だけではなく、それが人目につくことが等級取得の要件となっていることから、顔の傷が小さいと見なされないためにもプレゼンテーションは必要でした。その後、被害者の顔の傷は9級16号に該当するという認定結果を受け、被害者のお母さまは、少しほっとされたようでした。

示談交渉の経緯

それから1週間程度で、傷害慰謝料や後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益の他、通院付添費や入院雑費等につき主張を作成して証拠を整理し、相手保険会社に対し損害賠償請求を行いました。示談交渉の開始です。

もっとも、相手保険会社は、後遺障害逸失利益の請求は一切認められないという主張を曲げようとしませんでした。わずかに数十万円の増額慰謝料を上乗せするからそれで諦めろというのです。

たしかに、外貌醜状による後遺障害逸失利益に対しては、裁判所も非常に厳しい態度を取ります。顔に傷があることと、労働能力の制限とは、必ずしも繋がらないというわけです。

しかし、被害者は、顔の傷を負ったために、精神のバランスを崩し、通学先学校でも辛い思いをされていました。また、お母さまが、将来、お子さまのできる仕事が限られてしまうのではないかと、ひどく心配されているのを、弁護士は目の当たりにしていました。

そこで弁護士は、逸失利益なしでの示談はすべきではないと考えましたが、小さなお子さまを裁判所にまで連れ出したくはないというお母さまの気持ちもよく分かりましたので、紛争処理センターでの解決を提案しました。

紛争処理センターに申し立てると、相手保険会社は、さらに態度を硬化させ、示談交渉上は認めると言っていた増額慰謝料も認めないと主張してきました。

これに対し、弁護士は、被害者の現在の顔の傷の写真を示しながら、傷は決して小さくない、その傷が如何に目立つものか、その傷を巡りこれまでどのようかことがあり、将来に対し、被害者や母親がどれだけの不安を感じているかを訴えました。

また、裁判所での同様の傷の認定例の中から、最も高額の逸失利益を認めた事例を引用し、本件では、本来、その事例以上の損害が認定されなければならないと主張しました。

最終的に、紛争処理センターの和解斡旋委員の弁護士から、被害者が18歳になる年から67歳までにわたり、20%の労働能力が失われたという事実認定をもとに、約1,350万円の逸失利益を認める前提の和解が提案され、その他慰謝料や付添費、入院雑費等もこちらの主張をそのまま認めるべきという判断がなされました。合計2,200万円を超える和解斡旋案となり、相手保険会社はこれを受け入れました。

所感、争点

本件の争点は、後遺障害逸失利益に関する、労働能力喪失率と労働能力喪失期間でした。顔の傷により、事故前と比べて仕事ができなくなっているという主張に対しては、裁判所もかなり厳しい判断をします。

誤解を恐れずに言えば、タレントや、ホステスなど、顔の傷の影響の大きいことが余程はっきりしている仕事でないと、労働能力喪失率について、かなり低い認定をするか、全く認定をしてくれないという傾向があります。

紛争処理センターは、裁判所の認定にできるだけ近づけようと努力する傾向はありますが、やはり、裁判所と比べると、やや差し控えた認定しかしないのが一般的です。

この件について、弁護士には、被害者の方と同じ目の上の傷に関し、過去の同種事案の裁判所認定例の中で最も高い労働能力喪失率である20%を、何とか紛争処理センターに認めてもらいたいという思いがありました。

また、労働能力喪失期間については、67歳までという認定を受けるまで譲歩する気は全くありませんでした。その点を斡旋委員が認めないのであれば、審査請求と言って、紛争処理センターの判決のような手続きに移行するつもりでした。

その後、全力で主張・立証を尽くした結果、紛争処理センターに、同種事案の裁判所の認定の中でも最高水準と思われる20%の労働能力喪失率を認めてもらうことができました。これは本件の大きな成功ポイントでした。

オールイズワンは交通事故の被害者を一人でも多く救済したい

オールイズワンでは、顔に傷が残った方々や、上半身、下半身に大きな傷を残してしまった方々の事例を多数扱っています。

既に等級取得された方については、本件のように、紛争処理センターや訴訟を経て、後遺障害逸失利益も含めた多額の損害賠償金を受け取った事例もあれば、見事、示談交渉で後遺障害逸失利益の認定を受け、早期解決に至った事例もあります。

また、通院中や事故から間もない頃にご相談いただいた方については、本件同様、通院に関するアドバイスや転院先紹介に始まり、主治医による後遺障害診断書の作成や自賠調査事務所での面談にも積極的に関与し、上位等級認定を受けています。

交通事故やその他の事故で、顔や身体に傷を負われてお悩みの方は、是非、オールイズワンまでご相談下さい。ご連絡をお待ちしております。